大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和40(オ)567 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人一木正光の上告理由第一、二点について。

記録によれば、所論上告人申出の証人が唯一の証拠に当らないことは明らかであ

る。そして、原判決の乙一号証の成立を認定した判断並びに夫婦間の不和の原因に

関する所論判断は、その挙示する証拠関係に照らして肯認できるところであり、原

審はそのなした証拠調に基づいて証拠調の必要限度を合理的に裁量して所論証人の

取調をしなかつたことが認められ、原判決には所論違法はないから、論旨はいずれ

も採るを得ない。

同第三点について。

記録にはよれば、原審が所論の点につき所論申出の証人を取調べなかつたのは、

証拠調の限度に関する合理的裁量の結果であることが認められ、原審が上告人主張

にかかる本件離婚原因事実の存否につき、ただに一審の審理の結果のみならず、原

審提出の各書証、控訴人(上告人)被控訴人(被上告人)各本人尋問の結果に基づ

き審理をつくし、未だ婚姻を継続し難い重大な事由があるとは認められないと判断

しているのであつて、右判断はその挙示する事実関係から正当として肯認すること

ができる。原判決に所論違法はなく、論旨は、ひつきよう、適法になされた原審の

証拠の取捨判断を非難し、また原審の認定にそわない事実を主張して独自の立論を

なすものであつて、採るを得ない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

- 1 -

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!